積算基礎講習会

電気工事の基本は材料の拾い出し
~ 中小部会積算業務基礎講習会 ~

中小部会では2021年度の事業計画「経営力強化事業」の取り組みとして「社内業務の効率化」をテーマに掲げ、その一環として積算業務未経験者や初心者を対象にした「積算業務基礎講習会」を初めて開催しました。本来は今年1月~2月に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大により延期し、4月の開催となりました。電設業界では人材不足が慢性化しており、中小企業においては限られた人材で業務をいかに効率よく進めるかが課題です。職種を超えた知識を習得し、多能工的な社員を育成することで効率化が図れると考え、積算未経験の方や初心の方を対象に講習会を企画しました。(1995年より毎年開催(2020年と2021年は中止)している技術・技能委員会主催の「積算技術講習会」とは少し開催目的が違っています。)

■1日目 2022年4月18日(月)10:00~16:00 (一社)大阪電業協会会議室
■2日目 2022年4月25日(月)10:00~16:30 (一社)大阪電業協会会議室
■参加者 11社19名(オブザーバー2名含む)
■講 師 株式会社きんでん大阪支社 技術部次長 岡部博之氏

講習内容を検討するにあたり、まず「新入社員や営業・事務の方が積算知識ゼロであっても積算に興味を持ってもらえるものにしたい」「その重要性を少しでも理解してもらいたい」との思いでカリキュラムを策定しました。また講師の岡部様には、絵や図、写真をふんだんに用いた、初めて積算を学ぶ方にもわかりやすい独自の研修資料を作成していただき、我々企画側の思いもくみ取っていただいた超基本的な内容にしていただきました。

1日目の午前中は、講習会の前段として丸谷運営委員(マルヤ電気㈱)が動画を用いながら電気設備工事の概要を説明しました。午後からは講師の岡部様に「積算とは・・・」から解説していただき、その後「積算と見積書」「業務の流れ」「拾い出し」と一つ一つ具体的に丁寧に説明していただきました。

2日目にはマンションの一室の図面を用い、拾い出しの実践を行いました。壁の後ろや天井裏に潜む配線やアウトレットボックス、保護管を想像して拾い出さなければならないなど、受講者の中には初めての方もおられ、興味深く実践に取り組むことができました。

講習会後のアンケートでは、「基礎からの内容で大変満足している」「資料が見やすかった」「講師が分かりやすく教えてくれた」など概して好評でありました。「やや不満」と回答されている方は、積算を少し経験されている方で、講習内容が基礎的すぎたということでした。

当講習会を受講することにより、中小電気工事会社の社員として積算の知識を習得していくことで、営業・事務等間接部門でも積算業務の手助けをできるようになり、現場技術者の負担を軽減でき、さらには積算業務の平準化がすすめられるのではないかと思います。

受講者の皆さま、2日間大変お疲れ様でした。今後、皆さまの各社でのご活躍を祈念致します。そして講師を務めていただきました㈱きんでんの岡部様には心より感謝申し上げます。