大阪電業協会では、電気設備工事業界(以下、電設業界)が若者にとって「将来性のある魅力的な職場」「やりがいのある職場」との理解を深めていただくため、1993(平成4)年度から、関西圏の電気工学系大学生のうち主に3回生を対象とした現場見学を継続開催しています。
この見学会は、日頃立ち入ることができない建設現場内の電気設備が、どのように施工されているのかを見ることにより、電気設備工事業に対する興味や関心を深めていただくことを目的としています。
私たち電設業界は「電気設備」という生活に欠かせないインフラを整備し、その機能を守る役割を担っており、その技術・技能を向上させるとともに、若い人たちにその魅力を伝えていく使命を担っています。
学生の皆さんには、多くの人が携わっている建設現場を見ることで、ものづくりの楽しさや、電気設備の素晴らしさを是非感じていただきたいと思います。
見学会当日は、現場見学、現場担当者業務の説明(施工計画、工事施工、工程管理等)、質疑応答等を行い、電設業界をより深く理解していただくように努めています。
毎年秋頃にご案内を開始していますので、貴校の先生やキャリアセンターからご案内がありましたら、奮ってご参加をお願いいたします。
2023年度 (第30回)電気工学系大学生現場見学
9月8日(金)、株式会社きんでんと住友電設株式会社が電気設備工事を施工する現場において、電気を学ぶ学生向けの現場見学を開催しました。
今回は、3校から16名に参加いただき、実際の現場見学の他、施工関係者との質疑・応答の場を設けました。参加者らは、普段見ることができない施工現場の見学を貴重な機会と捉え、真剣なまなざしで参加していました。
【建物概要】
1.工事件名 (仮称)御堂筋淡路町ビル新築工事
2.住 所 大阪市中央区淡路町4-2-13
3.建物用途 オフィスビル(地下2階-地上21階-塔屋1階)
4.施 主 エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社
5.建築会社 鹿島建設株式会社
6.電気設備施工 株式会社きんでん、住友電設株式会社
【参加者】
■参加人数 16名(学生15名 教員1名)
■参加校 3校(大阪電気通信大学・大阪工業大学・東大阪高等職業技術専門学校)
当日は13時30分からスタートし、本会広報委員会の井下理事が開会のあいさつに立ちました。参加者らに「百聞は一見に如かずと言うが、実際に建物内の電気設備を見ることは非常に価値のあるものだ」と強調するとともに、電気設備工事の業務の特長を説明しました。最後に「本日の現場見学で多くのことを学んで感じてほしい。くれぐれも怪我をしないように、ご安全に」と呼び掛けました。
次に、現場関係者として現場見学に立ち会いいただく、鹿島建設株式会社、株式会社きんでん、住友電設株式会社の方々が紹介されました。
鹿島建設 副所長からのご挨拶の後、同社主任から建物全体の概要や現場の進捗状況について説明がありました。最後に、司会から現場見学に関する注意事項が示され、オリエンテーションは終了しました。
オリエンテーション・懇談会場
その後、参加者らは2班に分かれて現場を見学。竣工を目指し、多くの作業員が作業する中で、受変電設備や発電設備、執務室といった建物内のフロアを1時間かけて巡りました。
中でも電気室では、送電前ということもあり、受変電設備の内側まで見ることができました。参加者らは、現場を先導した現場関係者の説明に熱心に耳を傾けるとともに、実際の「現場」を肌で感じることができました。
電気設備工事現場代理人からの熱のこもった説明
現場見学の後には質疑・応答の場が設けられ、参加者たちからの施工に関する多くの質問・疑問に対して、施工関係者から丁寧かつ真摯な受け答えがありました。
最後に、鹿島建設 副所長から、働き方改革への取組みやこれからの業界のあり方について、熱く語りかけていただき、盛況のうちに幕を閉じました。
参加者アンケートでは、電気設備工事業界への興味が上がったという回答や、新鮮で興味深い経験ができたという回答を多くいただきました。
今後も本会では、この現場見学が入職促進に向けた重要なイベントであることを再認識し、実りある内容で継続実施いたします。
2022年度 (第29回)電気工学系大学生現場見学
11月7日(月)、株式会社きんでんが電気設備工事を施工する現場において、現場見学を開催しました。今回は、電気工学系大学生を中心に5校26名に参加いただき、実際の施工現場の見学のみならず、施工関係者との質疑・応答の場を設けました。普段、見ることができない建築現場に参加者は目を輝かせながら見て回りました。
【建物概要】
1.工事件名 難波中二丁目開発計画のうちA敷地計画
2.住 所 大阪市浪速区難波中2-20-2
3.建物用途 ホテル(地上34階-塔屋1階)
4.施 主 CentaraOsaka特定目的会社
5.建築会社 大成建設株式会社
6.電気設備施工 株式会社きんでん
【参加者】
■参加人数 26名(学生24名 教員2名)
■参加校 5校(大阪公立大学・大阪電気通信大学・立命館大学・大阪工業大学・東大阪高等職業技術専門学校)
午後1時30分から現場見学会がスタートし、広報委員会の早坂委員長は開会あいさつの中で、冒頭開催にご協力いただいた大成建設様ときんでん様に感謝の言葉を述べました。続けて参加者らに「リアルな現場を実際に見てもらうことは非常に大切だ」と強調した上で、「本日の現場見学会で、見て聞いて学んだことを、ぜひ学校へ持ち帰り、周りの人に教えてあげてほしい」と呼び掛けました。
その後、大成建設 総括所長からあいさつを頂戴し、同社設備長からは建物の概要について説明がありました。続けて、きんでん現場代理人から電気設備に関する説明があり、司会より現場見学に関する注意事項が示され、オリエンテーションは終了しました。
その後、参加者らは2班に分かれて現場を見学。竣工を目指し、多くの作業員が作業する中で、受変電設備や発電設備といった電気設備、屋上ヘリポートや客室、防災センターといった建物内の施設を1時間かけて巡りました。参加者たちは、現場を先導した片岡様と同社の徳永剛志様の説明に熱心に耳を傾けるとともに、実際の「現場」を肌で感じていました。
現場見学終了後には質疑・応答の時間が設けられ、参加者たちから設備や施工に関する多くの質問が飛び交い、施工関係者たちは分かりやすく丁寧に回答しました。予定していた現場見学会の時間はあっという間に過ぎ、大盛況で幕を閉じました。
また、参加者のアンケートには、電気設備工事業界への興味が上がったという回答や、新鮮で興味深い経験ができたという回答が多くありました。今後も広報委員会ではこの現場見学会を「業界を理解していただくための重要な事業」であることを再認識し、継続して実りある内容にしてまいります。
2021年度 (第28回)電気工学系大学生現場見学
11月8日(月)ダイダン株式会社が施工する「アクロス新大阪ビル空調更新に伴う電気設備工事」の現場において、電気工学系大学生を対象とした現場見学会を開催しました。
例年30名程度のところ(昨年度はコロナ禍により中止)、今年度は感染防止対策を行いながら参加者12名という少人数で開催しました。
【建物概要】
■建物名称 アクロス新大阪
■所在地 大阪市淀川区宮原4-1-6
■主要用途 事務所
■施主 野村不動産株式会社
■建物管理 野村不動産パートナーズ株式会社
■電気設備施工 ダイダン株式会社
【参加者】
■参加人数 12名(学生11名 教員1名)
■参加校 3大学(大阪工業大学・大阪府立大学・摂南大学)
13時30分に当ビル8階事務所に集合し、まず、早坂広報委員長が主催者挨拶の中で、「百聞は一見にしかずというが、電気工事を見て、感じてもらえる絶好の機会である」と当見学会の主旨を説明され、最後に建設現場での挨拶「ご安全に!」について話をされました。
その後、ダイダン現場代理人から当ビルの概要、施工状況等、図面を使いながら説明いただいた後、屋上のキュービクルを初め、工事主要部を質疑応答を行いながら1時間程度現場見学しました。
見学後、8階の事務所に戻り、座談会を実施しました。
今回は協会側から入社3年~5年となる若手社員3名が参加し、質疑応答形式で行われました。 学生からは当現場見学での質疑に加え「この業界でのやりがい」「職場環境や働き方・女性活躍」「今後の業界の方向性」「コロナ禍における当業界の対応」等、活発に質疑応答が行われました。特に3名の若手社員からは実際に現場で経験したことや、感じたことを学生に向け丁寧に説明され、若手社員ならではの回答に、学生も分かりやすかったのではないかと思います。
今回の現場見学会は参加者が少人数であったためか、学生との距離も近く、座談会では参加者全員の声を聴けたこと、若手社員が学生の質問に生の答えを返せたことなど、良かった点も多くありましたが、反面反省点も多く、来年度はコロナがすっかり明けていることを期待してさらに良い現場見学会を開催できるよう、協会として努力してまいります。