登録電気工事基幹技能者認定講習

日本電設工業協会では、2008(平成20)年4月から、建設業法施行規則第18条の3の6の規定に基づき「登録電気工事基幹技能者」の認定評価を行うための講習を開催しています。同会では、「電気工事業」と「電気通信工事業」の二業種を取り扱っています。

1. 「登録電気工事基幹技能者」認定制度の位置付け

日本電設工業協会では、平成19年度まで「電気工事基幹技能者」の認定講習会を開催していました。これは、国土交通省の「建設産業政策大網」「建設産業の構造改善戦略プログラム」を受けて本会が策定した「電設産業ビジョン」と、建設産業人材確保・育成推進協議会が策定した「基幹技能者の確保・育成・活用に関する基本指針」を踏まえ、本会が策定した「電気工事業における技能開発計画」に基づいて実施されてきたものです。

講習終了後に行われる試験に合格した者は、日本電設工業会から民間資格として「電気工事基幹技能者」の資格が与えられており、1万有余の方が現在その資格を有しています。

このような背景を踏まえ、平成20年に建設業法施行規則が改正され、新たに「登録基幹技能者」制度として位置付けられ、以降国土交通大臣が登録した機関が実施する登録基幹技能者講習の修了者は、登録基幹技能者として認められ、経営事項審査においても評価の対象となりました。

 

2.「登録電気工事基幹技能者」認定制度の目的

近年の電気工事現場においては、技術者は管理監督を行い、技能者は職長を中心に直接施工を行うとの分業が進む一方、請負体制も絡み円滑な施工を行ううえで、時に消化不良が発生しています。
これらの問題を解決するため、従来の職長以上に現場施工の実状に精通し、かつ、新たな役割として

(1)技術者(管理監督者)と職長(技能者)との補完(連絡・調整・提案)

(2)現場技能者を指揮・統率するためのリーダーシップ発揮による、現場施工の円滑化および施工品質向上の実現

(3)現場の状況に応じた施工方法等の提案、調整を登録電気工事基幹技能者に担ってもらうことにより、生産性が高く、安全で品質に優れた電気設備工事の実現を図ることを、認定制度制定の目的としています。

 

3.「登録電気工事基幹技能者」認定講習について

(1)認定講習会スケジュール

認定講習は、2日間にわたる12時間の講習と1時間の試験で行われます。

(2)学科試験

学科試験は、テキストおよび講習会講義内容から出題される14問の選択問題と、受講者が電気工事現場において、職長の立場で特に留意した事項と、その処置または対策等を問う1問の記述式問題から構成されています。(試験時間は60分)

合格点は60点で、選択問題は各問5 点で70点、記述式問題は30点の配点となっています。

 

4.「登録電気工事基幹技能者」認定講習の受講条件

(1)第一種電気工事士免状を取得していること。

(2)電気工事の直接施工業務に従事して、該当する建設業の種類につき10年以上の実務経験があること。

(3)労働安全衛生法第60条による建設業としての職長教育(施行令第19条、施行規則第40条)を修了し、受講申込日までに3年以上の職長経験を有している者。

 

5.「登録電気工事基幹技能者」認定講習の開催時期

毎年10月末(現状、10月最終の土日2日間)、日本電設工業協会の支部(9支部)所在地と電業協会等で全国同時に開催しています。

日本電設工業協会では、建設マスター(優秀施工者 国土交通大臣顕彰者)および建設ジュニアマスター(青年優秀施工者 不動産・建設経済局長顕彰者)の推薦条件として、登録電気工事基幹技能者の認定資格を取得していることを規定しています。

また、公共工事の公募条件に基幹技能者の活用が求められ、入札参加時に登録電気工事基幹技能者の活用計画を提案し、それが承認され受注に至った事例も発生しています。

以上のとおり、今後登録電気工事基幹技能者の重要性が増大してくると思われます。

 

6.「登録電気工事基幹技能者」認定講習の詳細

日本電設工業協会ホームページから、ご確認ください。

 

7.日本電設工業協会 関西支部 主催講習風景